利用者さんの日常生活を支援する介護士は、そのプライバシーにも踏み込むため、しっかりとした信頼関係を築かなければなりません。
そのためには、いかに利用者さんと関わればよいのか、基本的な原則を十分に理解しておく必要があります。
まず1つ目が個別化の原則です。
人の心を持つ者であれば、誰もが一個人として尊重されたい気持ちを持っているものです。
介護士は利用者さんを不特定多数の1人ではなく、独自の個性を持った一個人として支援しなければなりません。
2つ目が受容の原則です。
これは端的に言ってしまえば、利用者さんのありのままを受け入れるということ。
これは、利用者さんの抱える価値観や問題を、介護士がそのまま引き受けるという意味ではありません。
利用者さんの長所や短所、あるいは社会的立場に左右されることなく、あくまでも客観的に事実や現実だけを受け止めるということです。
3つ目は非審判的態度の原則です。
利用者さんの立場を客観的に受け入れたのなら、その行動に対して一方的に良し悪しを審判したり、責任を追求すべきではありません。
その一方で、介護士には様々な角度から、利用者さんの立場や行動を理解することが求められます。
このように利用者さんを深く分析することで、抱える問題を解決することもできます。
最後は自己決定の原則です。
介護士と利用者さんの関係は、相互に支え合う対等な関係でなければなりません。
ところが介護の仕事を続けていると、知らず知らずのうちに主従関係が生まれていることがあります。
利用者さんも介護士と同じく自己決定権があります。
介護士の方が知識を持っているからと無理強いしたりするのはタブーです。
きちんと利用者さんの声を聞き、了解を得た上で物事を進めるようにしましょう。